夏休みの読書感想文はなぜ減った?今あらためて考える読書感想文の意味②
2026/09/02
第2回 なぜ読書感想文は「全員必須」ではなくなってきたのか
前回は、夏休みの定番だった読書感想文が、最近では全員必須ではなく、希望者が取り組む課題になっている学校もあることについてお話ししました。
では、なぜこのような変化が起きているのでしょうか。
まず確認しておきたいのは、「読書感想文が必要なくなったから」という単純な話ではなさそうだということです。
今でも国語では「読むこと」「書くこと」が大切にされています。
それでも読書感想文の位置づけが変わってきた背景には、学校側と子ども側、それぞれの事情があるのではないでしょうか。
【学校で求められることが変わってきました】
私たち保護者世代が小学生だった頃と比べると、学校で学ぶ内容や学び方は大きく変わっています。
外国語の授業が加わり、タブレットなどのICT機器を使った学習も行われるようになりました。また、子ども同士で話し合ったり、自分の考えを発表したりする授業も増えています。
新しい学びが増えても、学校で使える時間がそれに合わせていくらでも増えるわけではありません。
限られた時間の中で、何をどこまで指導するのか。学校や先生にとっても難しい問題だと思います。
【読書感想文は「書かせれば終わり」ではありません】
読書感想文をきちんと指導しようとすると、先生にもかなりの時間が必要です。
一人ひとりの文章を読み、何を伝えようとしているのかを理解し、良かったところや改善できるところを考えて添削する。
計算問題のように、答えを見て○か×かをつければ終わりという課題ではありません。
また、小学校の先生からお話を伺った際には、作品を表彰したり学級だよりなどで紹介したりする場合にも、さまざまな配慮が必要になっていると聞きました。
もちろん、これは学校現場の一例であり、これだけが読書感想文の位置づけが変わった理由だということではありません。
【一方で、子どもたちはどう感じているのでしょうか】
もう一つ考えてみたいのが、宿題をする子ども側の問題です。
読書感想文が好きだったという人は、どれくらいいるでしょうか。
私自身、本を読むことそのものは嫌いではありませんでした。
それでも、「自分が読みたい本を読むこと」と「読書感想文を書くために本を読むこと」は、少し違っていたように思います。
本来、読書は「面白そうだから読んでみたい」から始まるものです。
ところが、読む本や書き方に条件が加わり、最後に感想文を完成させることまで求められると、「本を読むこと」よりも「宿題を終わらせること」が目的になってしまうことがあります。
そうなれば、せっかくの読書感想文も、その意味が変わってしまいます。
【学校側だけの問題でも、子ども側だけの問題でもない】
読書感想文が全員必須ではなくなってきた背景を、一つの理由だけで説明するのは難しいと思います。
学校教育や先生を取り巻く環境が変わったこと。
そして、子どもにとって読書感想文がどのような課題になっているのか。
両方から考える必要がありそうです。
だからこそ次に考えてみたいのは、
「なぜ読書感想文は、子どもにとって『とりあえず書いて終わらせる宿題』になってしまいやすいのか?」
ということです。
そこには、「本を読む」という読書感想文の一番最初の段階から、考えてみるべき問題があるように思います。
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