夏休みの読書感想文はなぜ減った?今あらためて考える読書感想文の意味③
2026/09/03
第3回 なぜ読書感想文は「適当に書く宿題」になってしまうのか
前回は、読書感想文が全員必須ではなくなってきた背景について、学校側と子ども側の両方から考えてみました。
今回は、もう少し子ども側の視点から考えてみたいと思います。
読書感想文を宿題に出されて、「早く書きたい」と思う子どもは、どれくらいいるでしょうか。
実際には、本をざっと読んで、あらすじを書き、「面白かったです」「感動しました」で何とか文字数を埋める。そんな読書感想文になってしまうことも少なくありません。
では、それは単純に子どもが面倒くさがっているからなのでしょうか。
「本が嫌い」と「課題の本を読みたくない」は違う
私自身、本を読むことは嫌いではありませんでした。
それでも、夏休みの読書感想文はあまり好きではありませんでした。
理由の一つは、自分が普段読みたいと思う本と、読書感想文のために選ぶ本が必ずしも同じではなかったからです。
これは、意外と大きな違いだと思います。
自分で「面白そう」と思って選んだ本なら、先を知りたくなって自然に読み進めます。
しかし、「感想文を書くために読む」となると、目的が変わってしまいます。
本を楽しむことより、「読み終わって宿題を完成させること」が目的になりやすいのです。
課題図書そのものが悪いわけではありません
もちろん、課題図書には、自分では選ばない本と出会えるという良さもあります。
普段なら手に取らないテーマの本を読み、新しいことを知ったり、今まで考えたことのなかった問題について考えたりするきっかけにもなります。
ですから、「好きな本だけを読めばよい」という単純な話でもありません。
問題は、子どもの読む力や興味と本の内容が合っていないときです。
内容を十分に理解できない。
テーマに興味を持てない。
それでも感想を書かなければならない。
そうなると、子どもにとって読書感想文は「自分の考えを書く課題」ではなく、「それらしい文章を作って提出する課題」になってしまうことがあります。
感想がなければ、感想文は書けません
これは当たり前のようですが、とても重要なことです。
「面白かった」「悲しかった」「不思議だった」。
まず何かを感じるから、その先に「なぜそう思ったのだろう」という考えが生まれます。
そして、それを整理して文章にしていきます。
つまり、読書感想文のスタートは原稿用紙ではありません。
その本を読んで、何かを感じることです。
最初の「読む」の段階で興味を持てなければ、その後の「考える」「まとめる」「書く」も難しくなります。
「適当に書く」の前に考えてみたいこと
子どもが読書感想文を適当に書いているのを見ると、「もっと真面目に書きなさい」と言いたくなるかもしれません。
しかし、その前に、
「この本を本当に理解できているのか」
「何か心に残ったことはあったのか」
「そもそも、この本に興味を持てたのか」
と考えてみる必要があるのかもしれません。
読書感想文は、「書く」という最後の部分だけを見ても、その難しさはわかりません。
本を読むところから、すでに読書感想文は始まっているのです。
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