夏休みの読書感想文はなぜ減った?今あらためて考える読書感想文の意味⑦
2026/09/08
第7回 読書感想文が苦手なのは、本当に「作文」が苦手だから?
前回は、読書感想文の中でも意外と難しい「まとめる力」について考えました。
今回は、「読書感想文が苦手」ということについて、もう少し考えてみたいと思います。
読書感想文がなかなか書けない子を見ると、
「作文が苦手だから仕方がない」
と思ってしまいがちです。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
これまで見てきたように、読書感想文では「読む・考える・まとめる・書く」といういくつもの力を使います。
つまり、文章を書くところまでたどり着く前に、つまずいている可能性もあるのです。
【そもそも本の内容を理解できているのか】
最初に確認したいのは「読む」です。
本を最後まで読んだからといって、内容を十分に理解できているとは限りません。
特に、自分の読む力より難しい本を選んでしまうと、文字を追うだけで精いっぱいになってしまいます。
「どんな話だった?」
と聞かれてもうまく説明できない状態では、その先の感想を考えるのは難しくなります。
【感じているけれど、理由がわからない】
次は「考える」です。
「面白かった」
「この場面が嫌だった」
という感想は持っていても、
「なぜそう思ったの?」
と聞かれると答えられないことがあります。
でも、これは感想がないわけではありません。
自分が感じたことを、まだ深く考えられていないだけかもしれません。
「自分だったらどうする?」
「似たような経験はなかった?」
と問いかけることで、考えが広がることもあります。
【考えているのに、まとまらない】
そして前回取り上げた「まとめる」です。
話をするといろいろな感想が出てくるのに、原稿用紙を前にすると手が止まってしまう。
こういう子は、「書く力」がないとは限りません。
頭の中にあるたくさんの考えから、
「何を一番伝えるのか」
「どの順番で伝えるのか」
を決められていない可能性があります。
【最後に必要になるのが「書く力」】
ここまでできて、ようやく最後の「書く」です。
伝えたいことは決まっている。
でも、文章としてうまく表現できない。
同じ言葉を何度も使ってしまう。
文章と文章のつながりがおかしくなってしまう。
ここで初めて、「文章を書く練習」が必要になります。
【「書けない」を一つにまとめない】
読書感想文が苦手な子に、
「もっとちゃんと書きなさい」
と言っても、なかなか解決しないのは、このためかもしれません。
読むところで困っている子。
考えるところで困っている子。
まとめるところで困っている子。
書くところで困っている子。
同じ「読書感想文が書けない」でも、原因はそれぞれ違います。
だからこそ、完成した感想文だけを見るのではなく、
「どこで止まっているのだろう?」
と考えてみることが大切なのではないでしょうか。
読書感想文が難しいのは、一つの課題の中で、これだけ多くの力を同時に求められているからなのかもしれません。
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