夏休みの読書感想文はなぜ減った?今あらためて考える読書感想文の意味⑧
2026/09/09
第8回 読書感想文は本当に必要なのか?
ここまで、読書感想文について「読む・考える・まとめる・書く」という視点から考えてきました。
では、そもそも読書感想文は、本当に必要な宿題なのでしょうか。
ここは一度、少し疑って考えてみてもよいと思います。
【年に一度、長い文章を書けば力はつくのか】
夏休みに一度、原稿用紙数枚分の感想文を書く。
それだけで、文章力が大きく伸びるのでしょうか。
もちろん、書く経験には意味があります。
しかし、スポーツや計算と同じで、文章を書く力も一度だけで身につくものではありません。
年に一度だけ長い文章を書くよりも、短くても何度も考えて書く方が、力につながる場合もあります。
【保護者が手伝いすぎることもある】
読書感想文は、家庭で取り組む宿題だからこその難しさもあります。
子どもがなかなか書けず、保護者が、
「こう書いたら?」
「この場面について書けば?」
と助けることもあると思います。
もちろん、困っている子どもを支えること自体は悪いことではありません。
ただ、手伝う範囲が大きくなりすぎると、いつの間にか「誰の感想文なのだろう」という状態になってしまうこともあります。
【完成させることが目的になっていないか】
提出期限が近づけば、どうしても「とにかく完成させること」が優先されます。
そうなると、
本をじっくり読む。
自分が何を感じたのか考える。
考えを整理する。
という、本来大切にしたい過程が抜け落ちてしまうことがあります。
読書感想文を書くこと自体が目的になってしまうと、本来の学びとは少し離れてしまいます。
【だからといって、意味がないわけではありません】
ここまで読むと、
「では、読書感想文はなくてもよいのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、私はそう単純ではないと思っています。
一冊の本を読み、自分が何を感じたのかを考え、それを整理して、相手に伝わる形にする。
この一連の経験には、やはり大きな意味があります。
問題は、「読書感想文という宿題が必要かどうか」と、「その中で使っている力が必要かどうか」を同じに考えてしまうことです。
【形ではなく、中身を考える】
昔と同じ形で全員に読書感想文を出し続けることが、本当に最善なのか。
これは考える余地があると思います。
一方で、
読む。
考える。
まとめる。
書く。
という経験そのものまで減らしてしまってよいのか。
こちらもまた、考える必要があります。
大切なのは、「読書感想文を残すか、なくすか」という二択ではありません。
読書感想文が担ってきた学びの中から、これからの子どもたちにも必要なものは何なのか。
そこを考えることなのではないでしょうか。
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