夏休みの読書感想文はなぜ減った?今あらためて考える読書感想文の意味⑩
2026/09/11
第10回 読書感想文が減った今、私たちは何を残すべきなのか
ここまで9回にわたって、夏休みの定番だった「読書感想文」について考えてきました。
私たち保護者世代にとって、読書感想文は夏休みになると当たり前のように出される宿題の一つでした。
ところが現在では、全員必須ではなく、希望者が取り組む課題になっている学校もあります。
最初は、
「なぜ読書感想文は減っているのだろう?」
という素朴な疑問から始まりました。
しかし、ここまで考えてみると、本当に大切なのは「読書感想文を残すべきか、なくすべきか」という話ではないように思います。
【読書感想文は、実はかなり難しい課題だった】
今回、読書感想文を改めて分解してみると、
「読む」
「考える」
「まとめる」
「書く」
という、いくつもの力が必要な課題であることがわかりました。
まず、本の内容を理解しなければなりません。
そして、自分が何を感じたのかを考える。
たくさんある考えの中から、何を伝えるのかを選んでまとめる。
最後に、それを相手に伝わる文章にする。
子どもの頃には「面倒な宿題」としか思っていなかったものが、大人になって改めて考えてみると、実はかなり難しいことをしていたのだと感じます。
【だからこそ、読書感想文にも問題はあった】
一方で、難しい課題だからこその問題もあります。
興味を持てない本を読んで、とにかく原稿用紙を埋める。
感想がまとまらず、あらすじばかりになる。
最後は保護者がかなり手伝って完成させる。
こうなってしまえば、本来期待していた学びから離れてしまいます。
だから、昔と同じように読書感想文を全員に出せばよい、という単純な話でもないと思います。
【「宿題」がなくなることと「経験」がなくなることは違う】
ただ、私が気になるのはここです。
読書感想文という宿題が減ることによって、
一冊の本をじっくり読むこと。
読んだ内容について自分なりに考えること。
たくさんある考えを整理すること。
それを自分の言葉で誰かに伝えること。
こうした経験まで一緒に減ってしまわないでしょうか。
読書感想文という形式を残すことよりも、むしろこちらの方が大切なのではないかと思います。
【時代が変われば、学び方も変わっていい】
私たちが子どもだった頃と、今の子どもたちが学んでいる環境は大きく違います。
学校で学ぶ内容も変わり、タブレットが使われ、調べたいことはすぐに検索できるようになりました。
生成AIを使えば、文章そのものを作ることさえできます。
だからこそ、昔とまったく同じ宿題を続けることだけが正解ではないと思います。
形は変わってもいい。
しかし、その中で身につけていた大切な力まで失わないようにする。
その視点が必要なのではないでしょうか。
【読書感想文から、次に考えてみたいこと】
今回、読書感想文について考える中で、特に気になったものがあります。
それが「書く力」です。
自分の頭の中ではわかっているのに、文章にすると伝えられない。
考えていることはたくさんあるのに、限られた文字数にまとめられない。
これは、実際に子どもたちを見ていても感じることがあります。
そして、「書く力」は読書感想文だけで必要になるものではありません。
読書感想文という一つの宿題から始まった今回の話。
次はそこからもう一歩進んで、
「子どもの書く力は、どうすれば身につくのか」
について考えてみたいと思います。
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