子どもは文章を書く機会が減っている?③
2026/09/15
第3回 200字の作文は、なぜ意外と難しいのか
「200字くらいなら、すぐに書けるだろう」
大人から見ると、そう思うかもしれません。
しかし、実際に子どもたちに200字程度の作文を書いてもらうと、意外と苦戦する子が多くいます。
長い文章ではないのに、なぜ難しいのでしょうか。
【短い文章だから簡単とは限らない】
200字というと、原稿用紙なら半分程度です。
ところが、短い文章には短い文章なりの難しさがあります。
何でも思いついたことを書いていると、すぐに文字数を超えてしまいます。
逆に、何を書けばよいかわからず、100字にも届かないこともあります。
つまり200字では、ただ文章を書くだけではなく、
「何を書くか」
「何を書かないか」
を決めなければなりません。
【伝えたいことを一つに絞る】
例えば、「夏休みで楽しかったこと」という作文を書くとします。
旅行に行った。
プールにも行った。
友達と遊んだ。
花火も見た。
いろいろな出来事を書きたくなるかもしれません。
しかし、200字の中ですべてを詳しく書くことはできません。
そこで、
「一番伝えたいのは何だろう」
と考える必要があります。
旅行について書くなら、その中でも特に印象に残った出来事を選ぶ。
これが「まとめる」という作業です。
【削ることも作文の力】
作文というと、「たくさん書ける子の方が文章力がある」と思われがちです。
しかし、必要のないことを削る力も大切です。
伝えたいことに関係のない説明を削る。
同じ内容を繰り返しているところを削る。
そして、本当に伝えたい部分を少し詳しくする。
こうした作業をすると、短い文章でも内容が伝わりやすくなります。
むしろ文字数が限られているからこそ、「何が大切なのか」を考えなければならないのです。
【順番を考えるだけでも文章は変わる】
同じ内容を書いていても、順番によって読みやすさは変わります。
最初に何があったのか。
次に何が起きたのか。
そのとき自分はどう感じたのか。
最後に何を伝えたいのか。
この順番を考えるだけでも、文章はずいぶんわかりやすくなります。
頭に浮かんだ順番に書くことと、相手に伝わる順番に書くことは同じではありません。
【200字だからこそ「考える力」が見える】
200字の作文では、
材料を出す。
伝えたいことを選ぶ。
必要のないものを削る。
順番を考える。
そして文章にする。
これだけの作業が必要になります。
だから、200字は決して「簡単な作文」ではありません。
短い文章の中には、その子がどのように考え、何を大切だと判断し、どう相手に伝えようとしているのかが表れます。
たくさん書く練習も必要ですが、
限られた文字数の中で、自分の考えをまとめる練習。
これもまた、「書く力」を身につけるための大切な方法ではないでしょうか。
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