子どもは文章を書く機会が減っている?⑥
2026/09/18
第6回 作文は一度たくさん書けば上手になるのか?
作文を書く力を伸ばそうと考えたとき、
「できるだけ長い文章を書かせた方がいい」
と思うことがあるかもしれません。
確かに、ある程度まとまった文章を書く経験も必要です。
しかし、一度400字や800字の作文を書いたからといって、それだけで文章を書く力が大きく伸びるわけではありません。
むしろ大切なのは、短くても「書く」という経験を繰り返すことではないでしょうか。
【作文は一度書いて終わりでは身につきにくい】
例えば、計算問題ならどうでしょう。
一度だけ50問解いて、その後しばらく計算をしないよりも、毎週少しずつでも繰り返した方が力は定着します。
作文も同じだと思います。
一度長い作文を書いて終わりでは、
「今回は何がよかったのか」
「どこを直せばもっと伝わったのか」
を次の文章で試す機会がありません。
書いて、振り返って、もう一度書く。
この繰り返しが必要です。
【短い作文なら繰り返しやすい】
そこで一つの方法になるのが、200字程度の短い作文です。
200字であれば、長い作文に比べて取り組む負担は小さくなります。
しかし、第3回でも取り上げたように、200字だから簡単というわけではありません。
何を伝えるのか。
どの出来事を使うのか。
何を削るのか。
どの順番で書くのか。
短いからこそ、考えなければならないことがあります。
【書いた後に「直す」ことが大切】
そして、作文では書いた後も重要です。
自分では伝わっていると思っていたけれど、読む人にはわかりにくかった。
もう少し具体的に書いた方がよかった。
同じ言葉を何度も使っていた。
一文が長くなりすぎていた。
こうしたことは、実際に文章を書いてみなければ気づきにくいものです。
誰かに読んでもらい、
「ここはわかりやすかった」
「ここはもう少し説明してほしい」
と教えてもらうことで、初めて自分の文章を客観的に見ることができます。
【次の作文で一つだけ意識する】
一度の作文で、すべてを直そうとする必要はないと思います。
例えば今回は、
「楽しかっただけで終わらず、理由を書く」
次は、
「一番伝えたいことを一つに絞る」
その次は、
「読む人に場面が伝わるように具体的に書く」
というように、一つずつ意識していけばよいのです。
そして、それを次の作文で実際に使ってみる。
この積み重ねが、少しずつ「書く力」につながっていきます。
【大切なのは「書く→直す→また書く」】
作文というと、完成した一枚を見て、
「上手に書けた」
「今回はあまり書けなかった」
と評価して終わってしまいがちです。
しかし、本当に大切なのは一枚の完成度だけではありません。
書く。読んでもらう。直す。そして、また書く。
この経験を何度も繰り返すことです。
長い作文を年に数回書くことにも意味はあります。
ただ、それとは別に、短くても継続して自分の考えを文章にする。
作文を特別な宿題ではなく、「繰り返し練習するもの」と考えることが、書く力を身につける近道なのかもしれません。
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