子どもは文章を書く機会が減っている?⑦
2026/09/19
第7回 作文の添削では、何を直せばいいのか
前回は、作文の力を伸ばすためには、一度長い文章を書くよりも、
「書く→直す→また書く」
という経験を繰り返すことが大切ではないか、という話をしました。
では、子どもが書いた作文を添削するとき、何を直せばよいのでしょうか。
【赤ペンでいっぱいにすればよいわけではない】
子どもの作文を見ると、どうしても間違いが目に入ります。
漢字が違う。
「てにをは」がおかしい。
句読点の位置が違う。
同じ言葉を何度も使っている。
もちろん、こうした間違いを直すことも必要です。
しかし、作文全体が赤ペンだらけになってしまったら、子どもはどう感じるでしょうか。
「作文を書くと、間違いをたくさん指摘される」
という経験ばかりになれば、書くこと自体が嫌になってしまうかもしれません。
【最初に見るのは「何を伝えたかったのか」】
私は、文章の細かな間違いを見る前に、
「この子は何を伝えたかったのだろう」
と考えることが大切だと思います。
例えば、
「サッカーの試合で勝ってうれしかった」
と書いてあったとします。
そこで、
「なぜ、その試合が特にうれしかったの?」
と聞いてみる。
すると、
「前の試合で自分がミスをして負けたから」
という話が出てくるかもしれません。
この一言が加わるだけで、「うれしかった」の意味が大きく変わります。
【添削は「正しい文章に直す」だけではない】
大人が文章をすべて直してしまえば、確かにきれいな作文になります。
しかし、それでは大人の文章に近づいてしまいます。
大切なのは、
「ここをもう少し詳しく書いてみよう」
「このとき、どんな気持ちだった?」
「初めて読む人にも、この場面はわかるかな?」
と問いかけることです。
答えそのものを教えるのではなく、質問によって子どもの中にある言葉を引き出す。
これも添削の大切な役割ではないでしょうか。
【良かったところも具体的に伝える】
直すところだけではなく、良かったところを伝えることも大切です。
ただし、
「上手に書けたね」
だけでは、何が良かったのかわかりません。
「この場面は様子がよくわかった」
「この一文で気持ちが伝わった」
「最初と最後がつながっていて読みやすかった」
と具体的に伝えれば、
「次もこうやって書けばいいんだ」
とわかります。
良かった部分も、次の作文を書くためのヒントになるのです。
【全部を一度に直そうとしない】
作文には、直そうと思えばいくらでも直せるところがあります。
しかし、一度にすべてを直そうとすると、何を意識すればよいのかわからなくなります。
今回は「具体的に書く」。
次は「一番伝えたいことをはっきりさせる」。
その次は「文章の順番を考える」。
このように、一つずつ意識していく方が、次の作文につながりやすいと思います。
【添削の目的は、次の文章を良くすること】
作文の添削というと、「今書いた文章を完成させること」に目が向きがちです。
しかし、本当の目的はそこだけではありません。
今回の作文で気づいたことを、次に自分で使えるようになること。
添削は、完成した作文をきれいにするためではなく、次の作文を少し良くするためにある。
そう考えると、間違いを探すだけではなく、子どもの考えを引き出し、良かったところを見つけることも大切になります。
書いて、添削を受け、また書く。
この積み重ねによって、少しずつ「自分で伝わる文章を書ける力」が身についていくのではないでしょうか。
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