「中学生の『勉強しているのに成績が上がらない』はなぜ起こる?」 ⑨
2026/10/03
第9回 保護者は「勉強しなさい」の代わりに何を確認すればいい?
「勉強しなさい」
できれば言いたくないけれど、つい言ってしまう。
中学生の保護者の方から、よく聞く話です。
テストが近いのにスマートフォンを見ている。
学校から帰ってきても、なかなか勉強を始めない。
そんな姿を見れば、
「勉強しなくて大丈夫なの?」
と言いたくなるのも当然だと思います。
ただ、「勉強しなさい」と言われた子どもは、何をすればよいのでしょうか。
【「勉強しなさい」では、やることが決まらない】
例えば、
「数学を勉強する」
だけでは、まだ具体的な行動にはなっていません。
学校のワークを進めるのか。
間違えた問題を解き直すのか。
公式を覚えるのか。
前回わからなかった問題を質問するのか。
同じ「数学の勉強」でも、やることはたくさんあります。
何をすればよいのかわからない状態で、
「勉強しなさい」
と言われても、とりあえず机に座るだけになってしまうことがあります。
【「何時間やった?」より「今日は何をする?」】
このシリーズでは、勉強時間だけではなく「何ができるようになったか」を見ることをお伝えしてきました。
家庭での声かけも同じです。
「今日は何時間勉強するの?」
ではなく、
「今日は何をできるようにする?」
と聞いてみる。
「英語をやる」ではなく、
「英単語を20個覚える」
「数学をやる」ではなく、
「ワークで間違えた5問を解けるようにする」
ここまで具体的になれば、勉強のゴールが見えてきます。
【終わった後は「何ができるようになった?」】
勉強が終わった後も、
「何時間やった?」
「ワークは何ページ進んだ?」
だけではなく、
「今日、何ができるようになった?」
と確認してみます。
「一次関数のグラフが書けるようになった」
「昨日間違えた英単語を全部書けるようになった」
「社会のこの範囲を説明できるようになった」
このように答えられれば、勉強の成果が本人にも見えるようになります。
【できなかったことも聞いてみる】
もう一つ確認してほしいのが、
「まだできないことは何?」
です。
これは、できなかったことを責めるための質問ではありません。
次に何を勉強するのかを決めるための質問です。
「この問題だけまだわからない」
とわかれば、学校や塾で質問できます。
「この10個の単語がまだ覚えられていない」
とわかれば、次の日にもう一度確認できます。
「できない」が具体的になれば、次の行動も具体的になります。
【保護者が先生になる必要はない】
中学生になると、勉強内容も難しくなります。
「数学を教えてと言われても、もうわからない」
という保護者の方も多いと思います。
それで問題ありません。
家庭で数学や英語を教える必要はないと思います。
確認してほしいのは、
何を勉強するのか。
何ができるようになったのか。
何がまだできないのか。
そして、
「できないものを次にどうするのか」
です。
問題の解き方がわからなければ、学校や塾で聞けばいい。
家庭では、勉強そのものを教えるのではなく、勉強が前に進んでいるかを一緒に確認することができます。
【「勉強した?」から少しだけ質問を変える】
「勉強した?」
と聞けば、
「した」
「まだ」
で会話は終わります。
そこで少し質問を変えてみます。
「今日は何をできるようにする?」
「何ができるようになった?」
「まだ何ができない?」
「それは次にどうする?」
この4つなら、勉強の中身が見えてきます。
そして何より、子ども自身が、
「自分は何をできるようにするために勉強しているのか」
を考えるきっかけになります。
最終的には、保護者から聞かれなくても、自分でこの4つを考えられるようになることが理想です。
「勉強しなさい」と言われたから勉強するのではなく、
自分で課題を見つけ、自分で次にやることを決める。
その力を少しずつ身につけていくことも、中学生の勉強では大切なのではないでしょうか。
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