「2028年度(令和10年度)大阪府公立高校入試の制度変更」⑤
2026/10/10
第5回 第2志望校を書けば安心?新制度で一番注意したいこと
2028年度(令和10年度)から始まる、公立高校の「第2志望校」への出願機会。
第1志望の公立高校に加えて、もう一つ公立高校を第2志望として選べるようになります。
これだけを見ると、
「公立高校を2校書けるなら、今までより安心なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、この制度については、
「第2志望を書けば、公立高校に合格するチャンスが単純に2倍になる」
と考えないことが大切です。
【第2志望の判定が行われないこともある】
前回お伝えした通り、第2志望校で合格者の判定が行われるのは、
その高校を第1志望にした受験生の数が、募集人員に満たなかった場合
です。
例えば募集人員320人の高校に、第1志望者が330人いたとします。
この場合、第1志望者だけですでに募集人員を超えています。
そのため、その高校を第2志望にしていても、第2志望者から合格者を決めることはありません。
つまり、
第2志望として出願した=合格の可能性が必ず生まれる
わけではないのです。
【人気校を第2志望にする場合は注意】
ここから考えると、第2志望校の選び方にも注意が必要です。
例えば、毎年多くの受験生が第1志望として集まる高校を第2志望にしたとします。
その高校が2028年度も第1志望者だけで募集人員を満たせば、第2志望者の判定まで回ってきません。
もちろん、2028年度の志願状況は実際に出願が始まるまでわかりません。
新制度によって受験生の志望動向そのものが変わる可能性もあります。
そのため、
「この高校なら第2志望で入りやすい」
と現時点で決めつけることはできません。
【第2志望校の締切が後にある意味】
今回の制度で注目したいのが、
第2志望校の出願締切は、第1志望校の出願締切より後に設定される
という点です。
これは、第2志望校を考えるうえで非常に重要な仕組みだと思います。
ただし、どの高校なら第2志望で合格できるのかを事前に確実に判断できる、という意味ではありません。
最終的に第2志望者の判定が行われるかどうかは、その高校の第1志望者数と募集人員によって決まるからです。
【「行きたい高校」であることも忘れない】
では、第2志望は「第1志望者が少なそうな高校」を選べばよいのでしょうか。
それだけで決めるのも違うと思います。
もし第2志望校で合格すれば、実際にその高校へ進学することになります。
通学時間。
学校の雰囲気。
学科やコース。
部活動。
卒業後の進路。
自分が高校でやりたいこと。
こうしたことを確認したうえで、
「第1志望ではないけれど、合格したら進学したいと思える高校」
を選ぶことが大切です。
【私立高校との併願もなくなるわけではない】
第2志望制度ができると、
「それなら私立高校を併願しなくてもよくなるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、第2志望校は必ず判定される制度ではありません。
第1志望校が不合格。
さらに第2志望校では、第1志望者だけで募集人員を満たしていた。
この場合、第2志望校で合格することはできません。
そのため、
公立第2志望制度と、私立高校の併願は別のもの
として考える必要があります。
第2志望制度ができたからといって、私立併願が必要なくなると考えるのは早いでしょう。
【第2志望校は「安全校」とは限らない】
大学受験などでは、
「第1志望」
「実力相応校」
「安全校」
のような考え方をすることがあります。
しかし、大阪府の新しい第2志望制度では、
第2志望校=安全校
とは限りません。
自分の学力が十分に届いていたとしても、その高校が第1志望者だけで募集人員を満たせば、第2志望者としての判定自体が行われないからです。
ここは、従来の高校選びとは少し違う考え方が必要になるところです。
【第2志望制度で高校選びは少し複雑になる】
これまでなら、
「公立はどこを第1志望にするか」
を中心に考えてきました。
2028年度からは、
第1志望はどこにするのか。
第2志望は出願するのか。
出願するならどこにするのか。
その高校は本当に進学したい学校なのか。
私立併願校はどうするのか。
こうしたことを組み合わせて考える必要があります。
選択肢が増えること自体は、受験生にとって大きなメリットです。
ただし、
「選択肢が増える=高校選びが簡単になる」ではありません。
むしろ、どの学校をどの位置づけで選ぶのかを、これまで以上に考える必要が出てくると思います。
第2志望制度について、まず覚えておいてほしいのは、
「第2志望を書けば安心」ではない。
そして、
「合格したら本当に通いたいと思える高校を選ぶ」
ということです。
2028年度は新制度の初年度です。
過去に同じ制度で行われた倍率データもありません。
だからこそ、制度を正しく理解したうえで、今後発表される情報や実際の志願状況を見ながら判断していくことが大切になります。
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