「2028年度(令和10年度)大阪府公立高校入試の制度変更」⑨
2026/10/15
第9回 新制度で「高校の選び方」はどう変わる?
2028年度(令和10年度)から始まる新しい大阪府公立高校入試。
ここまで、
「学校特色枠」
「第2志望校」
「内申点」
「A・B・C問題と共通問題」
「北摂9校の学校特色枠」
について見てきました。
では、これらの変更によって、実際の「高校の選び方」はどう変わるのでしょうか。
今回の制度変更で、高校選びの際に確認することが一つ増えると考えています。
それは、
「合格できそうか」だけでなく、「自分とその高校が合っているか」
という視点です。
【これまでの高校選び】
高校受験の面談をしていると、
「内申がこれくらいなら、どの高校ですか?」
「模試でこの偏差値なら、どこを受けられますか?」
という質問をよく受けます。
もちろん、これは非常に大切です。
高校入試ですから、合格できる可能性を考えずに志望校を決めることはできません。
しかし2028年度からは、それだけでは十分ではなくなります。
【①まず第1志望校を考える】
新制度でも、高校選びの中心は第1志望校です。
どの高校に行きたいのか。
そこで何を学びたいのか。
通学できるのか。
高校卒業後にどのような進路を考えているのか。
そして、
「その高校に合格するために、どれくらいの学力と内申が必要なのか」
まずここを考えることは、これまでと変わりません。
【②学校特色枠を使うか考える】
ここからが新しく加わる部分です。
第1志望校が決まったら、
「その高校の学校特色枠はどんな生徒を求めているのか?」
を確認します。
前回紹介したように、北摂の高校だけでも内容はかなり違います。
国語・数学・英語を重視する高校。
実技教科を含めた評定を見る高校。
スポーツ活動を評価する高校。
特定の進路への意欲を見る高校。
探究活動への関心を見る高校。
つまり同じ学力の生徒でも、高校によって自分の強みを生かせる特色枠と、生かしにくい特色枠があります。
学校特色枠は希望者だけが応募する制度です。
「特色枠があるから応募する」のではなく、
「自分の強みと高校が求める生徒像が合っているから応募する」
という考え方が必要になります。
【③内申と当日点の両方を見る】
もう一つ忘れてはいけないのが、学校ごとの配点です。
大阪府公立高校入試では、学力検査と調査書評定の比率を高校ごとに設定します。
そのため、
内申が強い生徒。
当日の学力検査に強い生徒。
同じ総合的な学力でも、どの高校を受験するかによって評価のされ方が変わります。
単純に、
「偏差値○○だから、この高校」
ではなく、
「自分の内申・学力と、その高校の選抜方法を組み合わせて見る」
ことが必要です。
【④第2志望校を考える】
そして2028年度からは、
「もし第1志望校に合格できなかった場合、どの公立高校なら進学したいか」
も考えられるようになります。
ただし、第2志望校は「安全校」ではありません。
その高校を第1志望にする受験生だけで募集人員が埋まれば、第2志望者から合格者は出ません。
ですから、第2志望として合格する可能性だけを考えて学校を選ぶのも違います。
大切なのは、
「第2志望でも、合格したら通いたい高校か」
ということです。
【⑤私立併願まで含めて考える】
ここまで考えると、高校選びは、
第1志望の公立高校
↓
学校特色枠に応募するか
↓
第2志望の公立高校
↓
私立併願校
という形で考える必要が出てきます。
第2志望制度ができても、第2志望校で必ず判定されるわけではありません。
そのため、
「公立を2校書けるから私立併願は必要ない」
と単純には考えられません。
公立第1志望・公立第2志望・私立併願を、それぞれ別の役割として考えることが重要です。
【高校選びを「縦」だけで見ない】
これまで高校選びでは、
豊中高校ならこのくらい。
池田高校ならこのくらい。
箕面高校ならこのくらい。
というように、学力順に高校を並べて考えてしまいがちでした。
もちろん学力は重要です。
しかし新制度では、それに加えて、
その高校はどんな教育をしているのか。
どんな生徒を求めているのか。
自分の強みは何なのか。
どの特色枠なら生かせるのか。
第2志望として選ぶ意味はあるのか。
という「横の比較」も、これまで以上に重要になります。
【「行ける高校」から「行きたい高校」へ】
大阪府は今回の制度変更について、受験生の主体的な学校選択につなげることを目的の一つとしています。
制度を見る限り、確かに高校を詳しく調べる必要性は高くなります。
だからこそ、中学3年生の秋になって、
「内申が○○だから、どこにしますか?」
から高校選びを始めるのではなく、もっと早い段階から高校を知ってほしいと思います。
高校のホームページを見る。
学校説明会へ行く。
文化祭を見る。
学科やコースを調べる。
卒業後の進路を見る。
そして、
「自分は高校で何をしたいのか?」
を考えてみる。
新制度では、
「偏差値・内申+高校の特色+自分の強み」
を組み合わせて志望校を考えることが、これまで以上に大切になります。
現在の中学2年生は、新制度の最初の受験生です。
前例がないからこそ、不安に感じることもあると思います。
しかし、制度が変わっても、
学力をつける。
内申を積み上げる。
高校について調べる。
自分の進路を考える。
という基本は変わりません。
では、現在の中学2年生は、受験までに具体的に何をしていけばよいのでしょうか。
最終回では、
「現在の中学2年生が今からやっておきたいこと」
を整理します。
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