「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」④
2026/10/21
第4回・計算はできるのに文章題が解けない?中学の方程式につながる考え方
「計算問題はすぐに解けるのに、文章題になると何をすればよいかわからない」
小学6年生のお子さんに、このような様子はありませんか?
「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」第4回は、算数編の第4弾です。
前回は、割合・比・速さの文章題について紹介しました。
今回は、文章題を解くために必要な「問題文から式を立てる力」について考えます。
中学校では方程式を学習しますが、実はその土台となる考え方は、小学校の算数です。
【① 文章題が苦手なのは、計算ができないから?】
次の問題を見てください。
〈小学校の問題〉
ある数に8を足すと23になります。ある数はいくつでしょうか。
□+8=23
□=23-8
□=15
答えは15です。
では、中学校ではどうなるでしょうか。
〈中学校の問題〉
ある数に8を足すと23になります。ある数を求めなさい。
x+8=23
x=23-8
x=15
答えは同じ15です。
小学校では□、中学校ではxを使っていますが、考え方は共通しています。
大切なのは、文章を読んで「何と何が等しいのか」を見つけることです。
この部分が理解できていれば、中学校で文字を使うようになっても対応しやすくなります。
【② 数字を見てすぐに計算しない】
文章題が苦手な子に見られるのが、問題文に出てきた数字を使って、すぐに足し算や引き算を始めてしまうことです。
例えば、次の問題です。
〈小学校の問題〉
兄は弟より4歳年上です。2人の年齢を合わせると24歳です。弟は何歳でしょうか。
この問題に出てくる数字は「4」と「24」です。
しかし、24-4=20としても、それは弟の年齢ではありません。
まず、数量の関係を整理しましょう。
弟の年齢を□歳とすると、
兄の年齢は(□+4)歳です。
2人の年齢の合計は24歳なので、
□+(□+4)=24
□が2つあるので、
□×2+4=24
□×2=20
□=10
答えは10歳です。
〈中学校の問題〉
弟の年齢をx歳とすると、
x+(x+4)=24
2x+4=24
2x=20
x=10
中学校では方程式を使いますが、式を立てる前の考え方は同じです。
【③ 線分図を使うと、数量の関係が見えてくる】
先ほどの兄弟の年齢の問題は、線分図でも整理できます。
弟:[ ]
兄:[ ]+4歳
合計:24歳
兄と弟の共通する部分が2つあり、さらに4歳分があると考えます。
そのため、
24-4=20
20÷2=10
と求められます。
文章だけではわかりにくい場合でも、線分図にすることで、何を足して何を引けばよいのかが見えてきます。
図を書く目的は、きれいにまとめることではなく、数量の関係を目で確認できるようにすることです。
【④ 表を使うと、複雑な文章題も整理しやすい】
次は、買い物の問題です。
〈小学校の問題〉
1冊120円のノートと、1本80円の鉛筆を合わせて7個買ったところ、代金は680円でした。
ノートは何冊買ったでしょうか。
この問題では、個数と代金という2つの条件があります。
まず、表に整理します。
| ノート | 鉛筆 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 1個の値段 | 120円 | 80円 | ― |
| 個数 | □個 | 7-□個 | 7個 |
| 代金 | 120×□円 | 80×(7-□)円 | 680円 |
小学校では、すべて鉛筆だったと仮定して考えることもできます。
80×7=560円
実際の代金との差は、
680-560=120円
ノートは鉛筆より1個40円高いので、
120÷40=3
答えはノート3冊です。
〈中学校の問題〉
ノートをx冊とすると、鉛筆は(7-x)本です。
120x+80(7-x)=680
120x+560-80x=680
40x=120
x=3
答えはノート3冊です。
小学校では差に注目して解き、中学校では方程式で解いています。
どちらも、個数と代金の関係を理解することが出発点です。
【⑤ 中学校の方程式で大切になる3つの力】
文章題から方程式を立てるためには、次の3つの力が必要です。
1.何を求めるのかを明確にする
最初に、問題が何を聞いているのかを確認します。
2.数量の関係を整理する
何がわかっていて、何がわからないのか。どの数量とどの数量が対応しているのかを考えます。
3.等しい関係を式にする
「2人の年齢の合計が24歳」「買い物の代金が680円」など、等しい関係を見つけます。
方程式の計算方法を覚えていても、この3つができなければ、文章題を解くことは難しくなります。
逆に、小学校のうちから数量の関係を整理する練習をしておけば、中学校での学習につながります。
【⑥ お子さんと一緒に確認してみましょう】
問題1
ある数を3倍して5を足すと26になります。ある数はいくつでしょうか。
問題2
姉は妹より6歳年上です。2人の年齢の合計は30歳です。妹は何歳でしょうか。
問題3
1個150円のパンと1個100円のおにぎりを合わせて8個買ったところ、代金は1,000円でした。パンは何個買ったでしょうか。
〈答えと解説〉
問題1:7
□×3+5=26
□×3=21
□=7
問題2:12歳
妹を□歳とすると、姉は(□+6)歳です。
□×2+6=30
□×2=24
□=12
問題3:4個
すべておにぎりだったとすると、
100×8=800円
実際の代金との差は、
1,000-800=200円
パンはおにぎりより1個50円高いので、
200÷50=4
答えはパン4個です。
ここで確認してほしいのは、答えが合っているかだけではありません。
「なぜその式になるのか」をお子さん自身が説明できるかが重要です。
【⑦ 文章題が苦手な場合の復習方法】
文章題が苦手なお子さんには、次の順番で取り組むことをおすすめします。
まず、問題文を読んで、何を求めるのかを確認します。
次に、わかっている数字と条件を書き出します。
その後、必要に応じて線分図や表を使い、数量の関係を整理します。
最後に式を立てて計算し、答えが問題文の条件に合っているか確認します。
最初から複雑な問題に取り組む必要はありません。
簡単な文章題でも、式を立てた理由を説明する練習を繰り返すことが大切です。
中学校の数学では、方程式だけでなく、関数や図形の問題でも数量の関係を読み取る力が必要になります。
小学6年生の今から「文章を読んで考える」「図や表に整理する」「式に表す」という習慣を身につけることが、中学数学への大切な準備になります。
個別指導WAM箕面桜ヶ丘校でも、答えをすぐに教えるのではなく、生徒自身が数量の関係を考え、式を立てられるようになることを大切にしています。
次回は、中学数学の関数につながる「比例・反比例」について紹介します。
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