「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」⑦
2026/10/24
第7回・小学校の英語は中学校でどう役立つ?学習内容の違いとつながりをわかりやすく解説
「小学校では英語が楽しかったのに、中学校に入ったら急に難しくなった」
「小学校で英語を習っていたはずなのに、中学校では全然違う勉強をしている気がする」
このような声を、中学生から聞くことがあります。
保護者の方にとっても、今の小学校の英語授業は、ご自身が経験してきた英語の授業とは異なる部分が多いのではないでしょうか。
そのため、「小学校で何を勉強しているのか」「それが中学校のどの学習につながるのか」が、わかりにくいかもしれません。
「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」第7回からは、英語編です。
今回は、文部科学省の学習指導要領も参考にしながら、小学校と中学校の英語の違い、そして両者のつながりを具体的に紹介します。
【① 小学校では、どのような英語を勉強している?】
現在の小学校では、3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で教科としての「外国語」を学びます。
5・6年生の英語では、主に身近な話題について、英語を使って伝え合う活動に取り組みます。
例えば、次のようなやり取りです。
〈好きなものを伝える〉
A:What sport do you like?
(どんなスポーツが好きですか?)
B:I like soccer.
(私はサッカーが好きです。)
〈できることを伝える〉
A:Can you swim?
(泳ぐことができますか?)
B:Yes, I can.
(はい、できます。)
〈行きたい場所を伝える〉
A:Where do you want to go?
(どこに行きたいですか?)
B:I want to go to Kyoto.
(京都に行きたいです。)
こうした活動では、モデルとなる会話を聞いたり、表現を練習したりしたうえで、自分のことに置き換えて友達とやり取りします。
もちろん、単に会話を丸暗記するだけではありません。
自分の好きなものや行きたい場所を選び、相手に伝えることも大切な学習です。
また、小学校5・6年生では、アルファベットや英単語、基本的な英文を読む・書く活動も行います。
ただし、文部科学省の学習指導要領では、音声で十分に慣れ親しんだ語句や表現を、書き写したり、例文を参考に書いたりすることが示されています。
つまり、小学校では、英語を実際に使う経験を積みながら、読むこと・書くことにも少しずつ取り組んでいるのです。
【② 中学校では、何が変わるの?】
中学校でも、英語を聞いたり話したりする活動は続きます。
しかし、そこに新しく求められることが増えていきます。
それが、英文の仕組みを理解し、学んだ表現を組み合わせて、自分で英文を作る力です。
例えば、小学校で次の英文を使っていたとします。
I like soccer.
(私はサッカーが好きです。)
小学校では、この表現を使って好きなスポーツを伝えることができます。
では、中学校で次のような問題が出たらどうでしょうか。
問題1
「彼はサッカーが好きです」を英語で書きなさい。
答え:He likes soccer.
問題2
「あなたはサッカーが好きですか」を英語で書きなさい。
答え:Do you like soccer?
問題3
「私はサッカーが好きではありません」を英語で書きなさい。
答え:I don't like soccer.
どれも、もとになっているのは小学校で使ってきた「好きなものを伝える」という表現です。
しかし、中学校では、主語が変わったときの動詞の形、疑問文や否定文の作り方なども考える必要があります。
知っている英文を使うだけでなく、その仕組みを理解して、別の英文に作り変える力が必要になるのです。
ここに、小学校と中学校の英語が違うものに感じられる理由の一つがあると考えています。
【③ なぜ生徒は「別の勉強になった」と感じるのか?】
小学校と中学校の違いを、生徒の立場から整理してみましょう。
| 小学校で多く見られる学習 | 中学校で増える学習 | |
|---|---|---|
| 英語の使い方 | 習った表現を使って伝え合う | 習った表現を応用して伝え合う |
| 英文の学び方 | モデルの会話を参考にする | 文の仕組みや語順も理解する |
| 書く活動 | 書き写す、例文を参考に書く | 条件に合わせて英文を組み立てる |
| 学習する内容 | 身近な話題や基本表現 | 文法を活用した多様な表現 |
| 求められる力 | 慣れ親しんだ英語を使う | 学んだ英語を組み合わせて使う |
※小学校でも自分で表現を考え、中学校でも会話や発表を行います。表は、学習が発展する方向をわかりやすく整理したものです。
例えば、小学校で、
I can swim.
(私は泳ぐことができます。)
という表現を使っていた生徒が、中学校で、
「彼女はピアノを弾くことができますか」
という英文を作る問題に取り組むとします。
答えは、
Can she play the piano?
です。
この英文を作るには、canの意味を知っているだけでは足りません。
「疑問文ではcanを前に置く」「主語をsheに変える」「play the pianoという表現を使う」といったことを考える必要があります。
小学校で覚えた表現は確かに役立っています。
しかし、生徒からすると、「習った英文を言う」ことと「習った知識を使って新しい英文を作る」ことは、まったく違う作業に感じられるのではないでしょうか。
これは、教室で聞く生徒の声から考えられる一つの見立てです。
すべての小学校や中学校で授業の進め方が同じというわけではありませんが、保護者の方にも知っていただきたい違いだと思います。
【④ 小学校で習った英語は、中学校のどこにつながる?】
では、小学校で学んだ内容は、中学校のどの単元につながるのでしょうか。
具体的に比較してみましょう。
| 小学校で使う英語 | 中学校でつながる学習 |
|---|---|
| I am happy. | be動詞、主語に応じた使い分け |
| I like soccer. | 一般動詞、肯定文・否定文・疑問文 |
| Do you like music? | 一般動詞の疑問文、do・does |
| I can swim. | 助動詞can、疑問文・否定文 |
| I want to go to Kyoto. | want to ~、不定詞 |
| He is my friend. | 主語とbe動詞の関係、人の紹介 |
| 自己紹介や友達の紹介 | 複数の英文を使った英作文・発表 |
※表は代表的なつながりを示したもので、学校や教科書によって学習順序は異なります。
例えば、小学校で、
I want to go to Kyoto.
という表現を使っていたとします。
中学校では、
I want to play tennis.
(私はテニスをしたいです。)
I want to study English.
(私は英語を勉強したいです。)
のように、want toの後ろにさまざまな動詞を入れて表現を広げていきます。
小学校で一つの表現として使っていたものが、中学校では文の仕組みを理解することで、いろいろな内容に応用できるようになるのです。
【⑤ 小学校で学んだ英語が、無駄になっているわけではない】
ここで、保護者の方に特に知っていただきたいことがあります。
中学校で英文が書けないからといって、小学校で学んだ英語が無駄だったわけではありません。
例えば、
I like soccer.
という英文を、小学校で何度も聞いたり、話したりしていれば、その音や意味に慣れ親しんでいる可能性があります。
中学校では、その経験を土台にして、文字と音を結びつけたり、文の仕組みを整理したりしていきます。
ただし、ここには注意が必要です。
聞いて意味がわかることと、自分で正しく書けることは同じではありません。
また、決まった質問に答えられることと、初めて見る日本語を英語に直せることも同じではありません。
小学校でできていたことが、中学校で求められる力にそのまま置き換わるわけではないのです。
小学校で身につけた力を生かしながら、新しい力を積み重ねる必要があります。
【⑥ 文部科学省は、小学校と中学校の英語をどう考えている?】
文部科学省の学習指導要領では、小学校と中学校の英語は、別々のものではなく、つながりをもって学ぶものとして位置づけられています。
小学校5・6年生では、身近で簡単な事柄について、基本的な語句や表現を使って伝え合う力を育てます。
「書くこと」についても、音声で慣れ親しんだ表現を書き写したり、例文を参考に書いたりすることが示されています。
一方、中学校では、小学校で学んだ語句や表現を活用しながら、日常的な話題について自分の考えや気持ちを伝えたり、まとまりのある文章を書いたりする力へと発展させていきます。
つまり、目指しているのは、単に英単語や文法を覚えることではありません。
英語を使って、自分の考えや気持ちを相手に伝えられるようになることです。
そのために、小学校では基本表現に慣れ親しみ、中学校ではその知識を広げ、より正確に、さまざまな場面で使えるようにしていきます。
【参考資料】
文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編」
文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」
【⑦ 中学入学前に、お子さんと確認してみましょう】
では、小学6年生の今、どこまでできていればよいのでしょうか。
まずは、小学校で習った基本表現を使って確認してみましょう。
問題1
次の英文の意味を答えましょう。
I like dogs.
問題2
「私は野球が好きです」と伝えるとき、次の英文の空欄には何が入りますか。
I like ______.
問題3
次の英文を声に出して読み、意味を答えましょう。
I can play tennis.
問題4
次の質問に、自分の好きなものを使って答えてみましょう。
What food do you like?
〈答えの例〉
問題1:私は犬が好きです。
問題2:baseball
問題3:私はテニスをすることができます。
問題4:I like curry.
ここで確認したいのは、難しい文法用語を知っているかどうかではありません。
英語を聞いたり読んだりして意味がわかるか。
習った表現を、自分のことに置き換えて使えるか。
基本的な英文を、声に出して読めるか。
こうした力が、中学校の英語を学ぶ土台になります。
【⑧ 中学入学前に大切なのは、小学校の英語を中学校につなげること】
小学校と中学校では、英語の学び方や求められることが変わります。
そのため、生徒が「小学校とは違う勉強になった」と感じることは、不思議ではありません。
しかし、実際には、小学校で学んだ表現やコミュニケーションの経験が、中学校の学習につながっています。
大切なのは、小学校で使っていた英語と、中学校で学ぶ文法や英文作成を結びつけて理解することです。
中学入学前から、難しい文法をすべて先取りする必要はありません。
まずは、小学校で習った英文を振り返り、その意味を理解し、自分のことに置き換えて使えるようにしておきましょう。
個別指導WAM箕面桜ヶ丘校でも、小学校と中学校の学習内容を別々に考えるのではなく、これまでに学んだことが次の学習にどうつながるのかを大切にしています。
次回は、小学校で使ってきた英文が、中学校のbe動詞・一般動詞・疑問文などにどのようにつながるのかを、さらに詳しく紹介します。
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