「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」⑩
2026/10/28
第10回・国語が苦手な子に共通する原因とは?読解力を支える語彙力の重要性
「国語の文章問題が苦手で、何を勉強すればよいかわからない」
「本を読ませているのに、なかなか国語の成績が上がらない」
「文章は最後まで読んでいるのに、内容を理解できていない」
このようなお悩みを持つ保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」第10回からは、国語編です。
国語は、算数のように公式を覚えたり、英語のように新しい文法を学んだりするだけでは、なかなか力がつきません。
また、国語が苦手だからといって、文章問題をたくさん解くだけで改善するとも限りません。
なぜなら、文章を理解するためには、その前提となる力が必要だからです。
その一つが、**語彙力(言葉の意味を理解し、使える力)**です。
今回は、語彙力が読解力にどのようにつながるのか、そして小学6年生のうちに取り組みたい勉強方法を紹介します。
【① 文章を読んでいるのに、内容がわからないのはなぜ?】
まず、次の文章を読んでみてください。
〈例文〉
彼は友達の意見に納得できなかった。しかし、相手の立場を考えることで、自分の考えを改めた。
大人にとっては、それほど難しい文章ではないかもしれません。
しかし、この文章には、意味を理解しておく必要がある言葉がいくつも含まれています。
-
納得する:説明や考えを理解し、もっともだと認めること
-
立場:その人が置かれている状況や、物事を見る位置
-
改める:それまでの考えや行動などを変えること
もし「納得する」の意味がわからなければ、最初の文で何が起きたのかを正しく理解できません。
「立場」がわからなければ、なぜ相手のことを考えたのかがつかみにくくなります。
「改める」がわからなければ、最後に主人公の考えがどう変化したのかを理解できません。
つまり、文章を最後まで読んでいても、重要な言葉の意味がわからなければ、内容を正確に理解することは難しいのです。
もちろん、国語が苦手な原因は語彙力だけではありません。
文章の構成を捉える力や、設問の条件を理解する力なども必要です。
しかし、まずは文章に使われている言葉を理解できているかを確認することが大切です。
【② 漢字が読めることと、言葉の意味がわかることは違う】
例えば、次の言葉を見てください。
「原因」
「結果」
「比較」
「具体的」
「共通」
いずれも、小学校の学習で触れることのある言葉です。
では、お子さんは、それぞれの意味を説明できるでしょうか。
例えば、「比較」という言葉なら、
「2つ以上のものを比べて、同じところや違うところを調べること」
と説明できます。
漢字を読めることと、意味を理解していることは同じではありません。
また、意味をなんとなく知っていることと、文章の中で正しく理解できることも違います。
例えば、
「2つの意見を比較する」
という文章を読んだとき、「比較」が単に「見ること」ではなく、「比べて違いや共通点を調べること」だと理解できている必要があります。
中学校の国語では、説明文や論説文などで抽象的な言葉に触れる機会が増えます。
そのため、小学生のうちから、漢字を読む・書くだけでなく、言葉の意味を理解する習慣をつけておきたいところです。
【③ 言葉の意味がわからないと、文章のつながりも見えなくなる】
語彙力が必要なのは、一つひとつの言葉を理解するためだけではありません。
文章全体の流れを理解するためにも重要です。
先ほどの例文をもう一度見てみましょう。
彼は友達の意見に納得できなかった。しかし、相手の立場を考えることで、自分の考えを改めた。
ここで注目したいのが、「しかし」という言葉です。
「しかし」は、前の内容に対して、反対の内容や予想とは異なる展開が続くことを示す接続詞です。
この文章では、
最初:友達の意見に納得できなかった
↓
その後:相手の立場を考え、自分の考えを変えた
という変化があります。
「納得」「立場」「改める」という言葉の意味を理解し、さらに「しかし」が文章の流れを変えていることに気づくと、内容を整理しやすくなります。
国語の読解では、単語の意味だけでなく、言葉と言葉、文と文がどのようにつながっているのかを理解することが重要です。
次回の国語編では、この接続詞や指示語を使った具体的な文章の読み方を詳しく紹介します。
【④ 語彙力を伸ばすには、意味を覚えるだけで十分?】
では、語彙力を伸ばすには、どのような勉強をすればよいのでしょうか。
辞書で言葉の意味を調べることは大切です。
しかし、意味を一度読んだだけでは、実際の文章で使えるようにならないこともあります。
そこで、おすすめしたいのが、調べた言葉を使って、自分で短い文を作ることです。
例えば、「納得」という言葉を覚える場合です。
① 意味を確認する
納得:説明や考えを理解し、もっともだと認めること。
② 例文を読む
先生の説明を聞いて、納得した。
③ 自分で文を作る
友達の話を聞いて、その意見に納得した。
このように、自分で文を作ることで、その言葉をどのような場面で使うのかを考えることができます。
ただし、最初から正しい文を作るのが難しい場合は、例文の一部を変えるだけでも構いません。
大切なのは、言葉をただ覚えるのではなく、意味を理解して使ってみることです。
【⑤ 本を読めば、国語が得意になる?】
「国語が苦手なら、本をたくさん読ませた方がよいですか?」
これは、保護者の方が気になることの一つだと思います。
読書は、さまざまな言葉や表現に触れることができる、大切な活動です。
ただし、本を読んでいるだけで、必ず国語のテストが得意になるわけではありません。
例えば、物語を楽しんで読むことができても、説明文の「筆者の主張」を整理することが苦手な場合があります。
また、文章の内容を理解していても、設問に合わせて答えることが苦手な場合もあります。
読書で得られる力と、国語の問題を解くために必要な力には、重なる部分もあれば、別に練習が必要な部分もあるのです。
読書をする際にも、知らない言葉が出てきたら意味を確認したり、読み終わった後に内容を短く説明したりすることで、語彙や理解を深めるきっかけになります。
もちろん、毎回読書の後に問題を出す必要はありません。
読書を楽しむことも大切にしながら、ときどき言葉の意味や内容について話してみるとよいでしょう。
【⑥ 家庭でできる、1日5分の語彙力トレーニング】
語彙力を伸ばすために、毎日長時間勉強する必要はありません。
まずは、1日5分程度から始めてみましょう。
おすすめは、次の3つの流れです。
1.知らない言葉を1つ選ぶ
学校の教科書や読んでいる本から、意味があいまいな言葉を1つ選びます。
2.意味を調べて、自分の言葉で説明する
辞書の説明を読むだけでなく、「つまり、どういうこと?」と考えてみます。
3.その言葉を使って短い文を作る
日常生活の出来事と結びつけて、1文作ってみます。
例えば、「共通」という言葉なら、
意味:2つ以上のものに同じ特徴があること。
例文:私と弟には、野球が好きという共通点がある。
このように、日常生活と結びつけることで、言葉の意味を理解しやすくなります。
毎日新しい言葉を増やすことだけを目標にする必要はありません。
前日に覚えた言葉を、翌日もう一度説明してみることも大切です。
【⑦ お子さんと一緒に確認してみましょう】
次の5問に取り組んでみてください。
問題1
「比較する」とは、どういう意味ですか?
問題2
次の文の「原因」と「結果」を答えましょう。
雨が降ったため、遠足が中止になった。
問題3
次の文の「しかし」は、どのような働きをしていますか?
今日は晴れると思っていた。しかし、午後から雨が降った。
問題4
「共通」という言葉を使って、短い文を作りましょう。
問題5
次の文章で、主人公の考えはどのように変わりましたか?
彼は友達の意見に納得できなかった。しかし、相手の立場を考えることで、自分の考えを改めた。
〈答えと解説〉
問題1
2つ以上のものを比べて、同じところや違うところを調べること。
問題2
原因:雨が降ったこと。
結果:遠足が中止になったこと。
問題3
前の内容とは反対のことや、予想と異なる展開が続くことを示しています。
問題4
例:私と友達には、サッカーが好きという共通点があります。
問題5
最初は友達の意見に納得できなかったが、相手の立場を考えたことで、自分の考えを変えた。
これらの問題で大切なのは、正解できたかどうかだけではありません。
間違えた場合に、言葉の意味がわからなかったのか、それとも文章のつながりが理解できなかったのかを確認することです。
つまずいた原因によって、必要な勉強方法も変わります。
【⑧ 国語が苦手な場合は、まず言葉の理解から確認しよう】
国語の読解力を伸ばすには、文章の読み方や問題の解き方を学ぶことも大切です。
しかし、その前提として、文章に使われている言葉を理解できている必要があります。
文章を読んでも内容がわからない場合は、難しい読解問題を繰り返す前に、知らない言葉がないか確認してみましょう。
漢字を読めるか。
言葉の意味を説明できるか。
その言葉を使って、自分で短い文を作れるか。
こうした基礎を積み重ねることが、文章を正確に理解する力につながります。
個別指導WAM箕面桜ヶ丘校でも、国語の問題が解けなかったときには、単に正解を教えるのではなく、どの言葉や文章のつながりが理解できていなかったのかを確認することを大切にしています。
次回は、文章を正確に読み取るための具体的な方法として、接続詞や指示語、段落の関係に注目した読解の進め方を紹介します。
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