「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」⑫
2026/10/30
第12回・文章は読めるのに国語のテストで点が取れない?設問の読み方と記述問題の解き方
「文章の内容を聞くと理解できているのに、テストでは正解できない」
「選択問題では、いつも最後の2つで迷ってしまう」
「記述問題では、何を書けばよいのかわからず、解答欄が空白になってしまう」
このようなお悩みはありませんか?
「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」第12回は、国語編の最終回です。
これまでの国語編では、言葉の意味を理解する「語彙力」と、接続詞や指示語に注目して文章を読む方法を紹介しました。
しかし、文章の内容が理解できていても、国語の問題で正解できるとは限りません。
なぜなら、国語のテストでは、文章を理解する力に加えて、設問が何を求めているのかを理解し、条件に合う形で答える力が必要だからです。
今回は、国語のテストでよく見られるつまずきを取り上げながら、具体的な解き方を紹介します。
【① 国語の問題は、本文だけでなく設問も正確に読む】
まず、次の文章を読んでみてください。
〈例文〉
太郎は、友達の大切な本を借りていた。しかし、うっかり本を汚してしまった。太郎は、友達が怒るのではないかと心配していた。
翌日、太郎が正直に謝ると、友達は「大丈夫だよ」と笑って答えた。太郎は安心し、これからは借りたものをもっと大切にしようと思った。
では、次の問題に答えてみましょう。
問題:太郎が安心したのはなぜですか。
答えの例は、
「本を汚したことを正直に謝り、友達が怒らずに許してくれたから。」
です。
ここで、
「太郎はうれしかったから。」
と答えた場合はどうでしょうか。
文章の内容から太郎の気持ちを想像していることはわかります。
しかし、設問は「どんな気持ちになったか」ではなく、「なぜ安心したのか」を聞いています。
国語の問題では、本文を正しく読むことと同じくらい、設問を正しく読むことが大切です。
特に、「なぜ」「どのような」「何を」「どう変化したか」など、何を答える問題なのかを最初に確認しましょう。
【② 「なぜ」と「どのように」では、答える内容が変わる】
国語の設問には、さまざまな聞き方があります。
例えば、同じ文章でも次のように変わります。
| 設問の聞き方 | 答える内容 |
|---|---|
| なぜ安心したのですか | 安心した理由 |
| どのような気持ちでしたか | 登場人物の心情 |
| 何を決意しましたか | 決意した内容 |
| どのように変化しましたか | 変化する前と後の様子 |
| どういうことですか | 傍線部の意味や内容 |
先ほどの文章なら、
「太郎は何を決意しましたか」
という設問に対しては、
「これからは借りたものをもっと大切にしようと決意した。」
と答えます。
同じ文章を読んでいても、設問によって答える内容は変わります。
問題を解く前に、何を聞かれているのかを短い言葉で確認する習慣をつけましょう。
例えば、「なぜ」なら「理由」、「どのように変化」なら「前と後」というように整理すると、答えを探しやすくなります。
【③ 選択問題は「正しそう」ではなく、本文の根拠で選ぶ】
選択問題でよくあるのが、2つの選択肢で迷ってしまうケースです。
例えば、次の問題を考えてみましょう。
問題:太郎が本を汚した後、心配していたこととして最も適切なものを選びなさい。
ア.友達が本を貸してくれなくなること
イ.友達が怒るのではないかということ
ウ.先生に叱られること
エ.本を買い直さなければならないこと
正解:イ
本文には、
「太郎は、友達が怒るのではないかと心配していた。」
と書かれています。
アの「本を貸してくれなくなること」も、実際に起こりそうなことではあります。
しかし、本文には書かれていません。
国語の選択問題では、自分がそう思うかどうかではなく、本文に根拠があるかどうかで判断する必要があります。
選択問題の解き方
まず、設問で何を聞かれているかを確認します。
次に、本文から答えの根拠となる部分を探します。
そのうえで、各選択肢を本文と比較します。
特に注意したいのは、選択肢の一部分だけを見て判断しないことです。
例えば、選択肢の前半が本文と合っていても、後半に本文と異なる内容が含まれている場合があります。
選択肢は最後まで読み、内容全体が本文と合っているかを確認しましょう。
【④ 抜き出し問題は、内容だけでなく条件も確認する】
抜き出し問題では、答えとなる部分を本文からそのまま探します。
例えば、次の文章です。
〈例文〉
美咲は、人前で話すことが苦手だった。しかし、毎日練習を続けたことで、少しずつ自信がついてきた。
問題:美咲が自信をつけた理由を、本文中から10字で抜き出しなさい。
正解:毎日練習を続けたこと
「毎日練習を続けたこと」は10字です。
ここで、
「毎日練習したこと」
と答えた場合、意味は近いですが、本文にある表現をそのまま抜き出していません。
また、
「練習を続けたこと」
では、指定された10字に足りません。
抜き出し問題では、次の点を確認することが大切です。
① 本文のどこに答えがあるか
② 指定された文字数に合っているか
③ 本文の表現を変えずに書いているか
特に「抜き出しなさい」と書かれている場合は、自分の言葉に直さず、本文の該当部分をそのまま書きましょう。
【⑤ 記述問題は「根拠を探す → 必要な情報を選ぶ → 文にする」】
記述問題が苦手な生徒の中には、何を書けばよいかわからず、解答欄を空白にしてしまうケースがあります。
しかし、最初からきれいな文章を書こうとする必要はありません。
まずは、答えに必要な情報を本文から探すことが大切です。
先ほどの太郎の文章を使ってみましょう。
問題:太郎が安心した理由を説明しなさい。
1.本文から根拠を探す
「友達が怒るのではないかと心配していた」
「正直に謝った」
「友達が『大丈夫だよ』と笑って答えた」
この3つが、答えを考えるための材料です。
2.必要な情報を選ぶ
設問は「安心した理由」を聞いています。
そのため、特に重要なのは、
「友達に謝った」
「友達が怒らずに許してくれた」
という内容です。
3.一つの文にまとめる
「本を汚したことを正直に謝り、友達が怒らずに許してくれたから。」
このように、必要な情報を組み合わせることで、記述問題の答えを作れます。
記述問題は、思いついたことを自由に書く問題ではありません。
本文にある情報を使い、設問に合う形で説明する問題です。
【⑥ 記述問題で見落としやすい3つの条件】
記述問題では、内容が合っていても、解答条件を守れていない場合があります。
特に注意したいのは、次の3点です。
1.文字数の条件
「30字以内」「40字以上50字以内」などの指定です。
「以内」は指定された字数以下、「以上」は指定された字数以上を意味します。
また、句読点も通常は1字として数えます。
2.文末の表現
「なぜですか」と聞かれた場合は、理由がわかるように「〜から。」などで答えます。
「どのようなことですか」と聞かれた場合は、「〜ということ。」など、内容を説明する形が適しています。
ただし、必ず特定の文末にしなければならないわけではありません。大切なのは、設問に対して自然で正確な答えになっていることです。
3.指定された言葉や内容
「理由を2つ書きなさい」
「『努力』という言葉を使いなさい」
「本文中の表現を用いて説明しなさい」
などの条件です。
答えを書き終えたら、内容だけでなく、文字数・文末・指定条件の3点を確認しましょう。
【⑦ 家庭でできる記述問題の練習方法】
記述問題が苦手な場合、最初から長い文章を書かせる必要はありません。
まずは、短い文章を読んで、理由を一文で説明する練習から始めましょう。
例えば、
〈文章〉
昨日は雨が降っていたため、予定していた遠足が中止になった。
問題:遠足が中止になったのはなぜですか。
答え:雨が降っていたから。
最初は、この程度の短い問題でも構いません。
慣れてきたら、次のように少しずつ複雑にしていきます。
〈文章〉
花子は発表することが苦手だった。しかし、友達に励まされ、何度も練習したことで、自信を持って発表できるようになった。
問題:花子が自信を持って発表できるようになったのはなぜですか。
答えの例:友達に励まされ、何度も練習を重ねたから。
このように、最初は理由が一つの問題、次に理由が複数ある問題へと進めます。
大切なのは、答えをすぐに教えるのではなく、
「どこに理由が書いてある?」
「何がきっかけになった?」
「その内容を一文にすると?」
と問いかけながら、自分で根拠を見つけて答えを作る経験を積むことです。
【⑧ お子さんと一緒に確認してみましょう】
次の文章を読んで、問題に答えてみてください。
〈文章〉
翔太は、クラスの話し合いで自分の意見を伝えることが苦手だった。
ある日、班の代表として意見を発表することになった。翔太は不安を感じていたが、友達が「一緒に練習しよう」と声をかけてくれた。
それから翔太は、友達と何度も練習を重ねた。
発表当日、翔太は緊張しながらも、最後まで自分の意見を伝えることができた。
発表を終えた翔太は、少し誇らしい気持ちになった。
問題1:選択問題
翔太が発表前に不安を感じていた理由として、最も適切なものを選びましょう。
ア.友達と仲が悪かったから
イ.自分の意見を伝えることが苦手だったから
ウ.発表の内容を忘れてしまったから
エ.先生に叱られたから
問題2:抜き出し問題
翔太に声をかけてくれた友達の言葉を、本文中から抜き出しましょう。
問題3:記述問題
翔太が最後まで発表できた理由を説明しましょう。
問題4:心情の読み取り
発表を終えた翔太が「少し誇らしい気持ち」になったのはなぜですか。
〈答えと解説〉
問題1
正解:イ
本文の最初に「自分の意見を伝えることが苦手だった」と書かれています。
問題2
「一緒に練習しよう」
本文にある友達の言葉をそのまま抜き出します。
問題3
答えの例:友達に励まされ、一緒に何度も練習を重ねたから。
友達の励ましと練習という、本文中の情報を根拠にしています。
問題4
答えの例:苦手だった発表を、緊張しながらも最後までやり遂げることができたから。
翔太が最初は発表を苦手としていたことと、最後まで発表できたことを結びつけて考えます。
答え合わせでは、正解・不正解だけでなく、どの部分を根拠にしたのか、設問の条件に合っているかを確認してみましょう。
【⑨ 国語編のまとめ】
今回で、国語編の3回が終了です。
第10回:読解力を支える語彙力
漢字を読めることと言葉の意味を理解することの違い、語彙力を伸ばす勉強方法を紹介しました。
第11回:説明文・物語文の読み方
接続詞に印をつける方法や、指示語、筆者の主張、登場人物の気持ちを読み取る方法を紹介しました。
第12回:設問の読み方と記述問題の解き方
文章の内容を理解したうえで、設問に合う答えを作る方法を紹介しました。
国語の力は、一つの勉強方法だけで身につくものではありません。
言葉の意味を理解する。
文章の内容やつながりを正確に読み取る。
設問に合わせて、根拠をもとに答える。
この3つの力を、少しずつ積み重ねていくことが大切です。
小学6年生のうちから、文章問題を解いた後に「なぜその答えになるのか」を説明する習慣をつけておくと、中学校の国語にもつながります。
個別指導WAM箕面桜ヶ丘校でも、答えが合っているかどうかだけでなく、どのように考え、どの部分を根拠にしたのかを確認しながら指導しています。
次回からは理科編として、小学校で学んだ内容が中学校の理科にどうつながるのか、そして中学入学前に確認しておきたい基礎を紹介します。
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