「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」⑬
2026/10/31
第13回・小学校の理科は中学校でどう役立つ?身近な実験から学ぶ中学理科の基礎
「小学校の理科は得意だったのに、中学校に入って難しくなった」
「理科は暗記すればよいと思っていたのに、テストで点が取れない」
「中学入学前に、理科は何を復習しておけばよいの?」
このような疑問を持つ保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「小学6年生の今からでも間に合う!中学入学までに身につけたい5教科の基礎」第13回からは、理科編です。
小学校の理科では、植物の成長、電気の働き、物の溶け方、天気の変化など、身近な現象について学んできました。
中学校では、これらの学習を土台にして、現象が起こる仕組みをさらに詳しく考えたり、数値や法則を使って説明したりするようになります。
つまり、小学校の理科と中学校の理科は、別々の学習ではなく、つながっているのです。
今回は、小学校で学んだ内容が中学校でどのように役立つのか、具体的な例を使って紹介します。
【① 小学校と中学校の理科は、何が変わる?】
小学校の理科では、実際に観察や実験をしながら、身の回りの現象について考えます。
例えば、次のような学習があります。
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電池を使って豆電球を光らせる
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食塩を水に溶かし、溶け方を調べる
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植物を育て、成長に必要な条件を調べる
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天気の変化を観察する
これらは、単に結果を覚えるための学習ではありません。
実験や観察を通して、「何が起こるのか」「どのような条件で変わるのか」を調べる学習です。
中学校では、その経験をもとに、さらに詳しく学んでいきます。
例えば、豆電球を光らせる学習は、電流や電圧、抵抗の学習につながります。
食塩が水に溶ける学習は、溶解度や再結晶、水溶液の濃度の学習につながります。
植物の成長については、光合成や呼吸、植物の体のつくりと働きを、より詳しく学びます。
小学校で「どうなるのか」を調べたことについて、中学校では「どのような仕組みなのか」「どのような関係があるのか」をさらに深く考えるとイメージするとわかりやすいでしょう。
ただし、小学校でも実験の理由を考えたり、結果を説明したりする学習は行っています。
中学校で突然「考える理科」に変わるのではなく、小学校で身につけた考え方を、さらに発展させていくのです。
【② 電気の学習は、電流・電圧・抵抗につながる】
小学校では、乾電池や豆電球を使って、電気の通り道や働きを学びます。
例えば、乾電池を直列につないだときと、並列につないだときでは、豆電球の明るさや電池の持ち方に違いがあることを調べます。
また、回路がつながっていなければ、豆電球は光りません。
中学校では、このような経験を土台にして、電流や電圧、抵抗について学びます。
電流は電気の流れ、電圧は電流を流そうとする働きに関係する量、抵抗は電流の流れにくさを表す量です。
そして、電流・電圧・抵抗の関係を、オームの法則などを使って考えるようになります。
例えば、
「なぜ豆電球の明るさが変わるのか」
という疑問を、回路のつなぎ方や電流・電圧の関係から説明していきます。
ここで大切なのは、小学校で学んだ回路のつなぎ方を理解していることです。
直列つなぎと並列つなぎの違いがあいまいなままだと、中学校で回路図や計算問題を学ぶ際に混乱しやすくなります。
中学入学前には、電気が流れるためには回路がつながっている必要があることや、直列・並列のつなぎ方の違いを確認しておきましょう。
【③ 物の溶け方は、水溶液の濃度や再結晶につながる】
小学校では、食塩やミョウバンなどを水に溶かし、物の溶け方について学びます。
例えば、次のようなことを調べます。
「食塩を水に溶かすと、見えなくなった食塩はどうなるのか」
「水の量を増やすと、溶ける量はどう変わるのか」
「水の温度を変えると、溶ける量はどう変わるのか」
ここで覚えておきたいのが、食塩が水に溶けて見えなくなっても、食塩そのものがなくなったわけではないということです。
例えば、水100gに食塩20gをすべて溶かした場合、水溶液全体の質量は120gになります。
水100g + 食塩20g = 食塩水120g
中学校では、このような学習を土台にして、水溶液の濃度を計算したり、温度によって溶ける量が変わることを詳しく調べたりします。
例えば、質量パーセント濃度は、次の式で求めます。
質量パーセント濃度(%)= 溶質の質量 ÷ 水溶液の質量 × 100
先ほどの食塩水なら、
20 ÷ 120 × 100 = 約16.7%
となります。
ここで注意したいのは、食塩20gを水100gに溶かしたからといって、濃度が20%になるわけではないことです。
分母になるのは水の質量ではなく、水溶液全体の質量です。
このように、中学校では小学校で観察した現象を、数値を使って考える機会が増えます。
そのため、まずは「何が溶けているのか」「溶けた後の全体の質量はどうなるのか」を理解しておくことが大切です。
【④ 植物の学習は、光合成や呼吸の仕組みにつながる】
小学校では、植物の発芽や成長に必要な条件について学びます。
例えば、種子の発芽には、一般に水・空気・適切な温度が必要です。
また、植物がよく育つためには、光なども重要な条件になります。
ここで注意したいのは、種子が発芽するための条件と、発芽後に植物が成長するための条件は、同じではないということです。
中学校では、植物の体のつくりや働きについて、さらに詳しく学びます。
例えば、葉では光合成が行われ、光のエネルギーを利用して二酸化炭素と水から有機物がつくられます。
また、植物も呼吸を行い、生命活動に必要なエネルギーを取り出しています。
小学校で、
「植物の成長には光が関係している」
と学んだことが、中学校では、
「光を使って植物が何をしているのか」
という仕組みの理解につながっていきます。
中学入学前には、発芽と成長の条件を整理するとともに、根・茎・葉の基本的な役割を確認しておくとよいでしょう。
【⑤ 天気の学習は、気圧や前線の学習につながる】
小学校では、雲の様子や天気の変化を観察し、天気がどのように変わるのかを学びます。
例えば、雲の動きや天気の変化を記録したり、気象情報を利用したりします。
中学校では、こうした学習を発展させて、気圧や風、前線などを学びます。
例えば、
「なぜ雨が降るのか」
「なぜ風が吹くのか」
「なぜ天気が変わるのか」
といった疑問について、空気の動きや水蒸気の変化などを使って考えていきます。
ここでも、小学校で行った観察が土台になります。
雲の様子や天気の変化をただ覚えるのではなく、観察したことと天気の変化を結びつけて考える経験が、中学校での理解につながります。
【⑥ 中学理科では、実験の「結果」だけでなく「理由」が重要になる】
ここまで紹介したように、中学校では小学校で学んだ内容をさらに詳しく学びます。
その際に重要になるのが、実験や観察の結果について、理由や仕組みを説明する力です。
例えば、次の問題を考えてみましょう。
問題:植物の成長に光が必要かどうかを調べるためには、どのような実験をすればよいでしょうか。
この問題では、単に「光を当てる」と答えるだけでは不十分です。
光がある場合とない場合を比較する必要があります。
その際には、植物の種類や大きさ、水の量、温度など、光以外の条件をできるだけそろえます。
そうすることで、成長の違いが光の有無によるものかどうかを調べやすくなります。
このように、調べたい条件だけを変え、ほかの条件をそろえる考え方を「条件制御」といいます。
条件制御は小学校でも学ぶ重要な考え方で、中学校の実験でも引き続き使います。
理科では、実験の結果を覚えるだけでなく、
「何を調べる実験なのか」
「どの条件を変えたのか」
「どの条件をそろえたのか」
「結果から何がわかるのか」
を説明できることが大切です。
【⑦ 中学入学前に確認しておきたい3つのこと】
では、小学6年生の今から、どのような復習をすればよいのでしょうか。
まずは、次の3つを意識してみましょう。
1.基本的な用語の意味を説明できるか
例えば、「直列つなぎ」「水溶液」「発芽」などです。
言葉を聞いたことがあるだけでなく、意味を説明できるか確認しましょう。
2.実験で何を調べたのかを理解しているか
実験の方法や結果を覚えているだけでなく、目的や条件について考えられるかが重要です。
3.学んだ現象を自分の言葉で説明できるか
例えば、
「食塩が水に溶けると、食塩はなくなるの?」
という質問に対して、
「見えなくなるけれど、食塩は水の中に溶けていて、全体の質量も変わらない」
と説明できれば、理解が深まっていると考えられます。
中学校の内容を先取りすることも一つの方法ですが、まずは小学校で学んだ現象を正しく理解できているかを確認することをおすすめします。
【⑧ お子さんと一緒に確認してみましょう】
次の問題に取り組んでみてください。
問題1
豆電球が光るためには、乾電池と豆電球をどのようにつなぐ必要がありますか。
問題2
水100gに食塩20gをすべて溶かしました。食塩水全体の質量は何gになりますか。
問題3
種子が発芽するために必要な条件を3つ答えましょう。
問題4
植物の成長に光が必要かどうかを調べる実験では、光以外の条件をできるだけそろえるのはなぜですか。
〈答えと解説〉
問題1
乾電池と豆電球を導線などでつなぎ、電気が流れる一続きの回路を作る必要があります。
問題2
120g。
食塩が溶けて見えなくなっても、食塩の質量はなくなりません。
問題3
水・空気・適切な温度。
なお、一般的な種子の発芽に光は必須ではありません。ただし、植物の種類によっては発芽が光の影響を受けるものもあります。
問題4
成長に違いが出たとき、その違いが光の有無によるものかどうかを調べるためです。
これらの問題で答えがわからなかった場合は、用語や結果を覚え直すだけでなく、なぜそうなるのかを説明できるかも確認してみましょう。
【⑨ 小学校の理科を理解することが、中学校の理科の土台になる】
中学校の理科では、電流や電圧、水溶液の濃度、光合成、気圧など、新しい用語や計算が増えていきます。
しかし、それらの多くは、小学校で学んだ内容とつながっています。
小学校で豆電球を光らせた経験が、電気の学習につながる。
食塩を水に溶かした経験が、水溶液の濃度の学習につながる。
植物を育てた経験が、光合成や呼吸の理解につながる。
天気を観察した経験が、気圧や前線の学習につながる。
小学校で学んだことを「知っている」で終わらせず、「なぜそうなるのか」まで考えることが、中学校の理科を理解する第一歩です。
個別指導WAM箕面桜ヶ丘校でも、理科の指導では、用語を覚えるだけでなく、現象の仕組みや実験の目的を理解し、自分の言葉で説明できることを大切にしています。
次回は、電気・力・水溶液などの物理・化学分野について、小学校のどの学習が中学校のどの単元につながるのかを、さらに詳しく紹介します。
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