子どもは文章を書く機会が減っている?⑧
2026/09/21
第8回 AIが文章を書いてくれる時代に、作文は必要なのか?
今は、生成AIに、
「この内容で作文を書いて」
と入力すれば、短時間で文章を作ってくれる時代になりました。
文章を短くまとめることも、言葉をわかりやすく直すこともできます。
これだけ簡単に文章を作れるのであれば、
「これからの子どもたちに、自分で作文を書く力は必要なのだろうか」
という疑問も出てきます。
【「文章を作ること」だけならAIでもできる】
以前であれば、自分で考えて文章を書くしかありませんでした。
しかし今は違います。
テーマや条件を伝えれば、AIが文章を作ってくれます。
これからAIがさらに進化すれば、「文章を作る」という作業そのものは、もっと簡単になっていくでしょう。
だからこそ、考えなければならないのは、
「人が文章を書く意味は何なのか」
ということだと思います。
【AIに何を伝えるのかは、自分で考える】
例えば、AIに、
「遠足について200字の作文を書いて」
と頼めば、それらしい作文は作れます。
しかしAIは、その子が遠足で何を見て、何に驚き、誰とどんな話をして、何を感じたのかまでは知りません。
本当に自分らしい文章にするためには、
「私はこの出来事を書きたい」
「ここが一番楽しかった」
「このとき、こう感じた」
という材料を自分で持っている必要があります。
AIが文章を作ってくれても、何を伝えたいのかを決めるのは自分自身です。
【AIが書いた文章を判断できるだろうか】
もう一つ大切なのが、AIから出てきた文章を判断する力です。
読みやすい文章だからといって、必ずしも自分の考えを正しく表しているとは限りません。
「これは本当に自分が言いたかったことだろうか」
「少し意味が違っていないだろうか」
「この説明で相手に伝わるだろうか」
こうした判断をするためにも、自分自身が文章を読んだり書いたりする経験が必要です。
自分で書いた経験がなければ、AIが作った文章の良し悪きを判断することも難しくなります。
【AIを使わないことが目的ではない】
だからといって、子どもたちに「AIを使わせない」ということが答えではないと思います。
これから子どもたちは、AIを使うことが当たり前の社会で生活していくでしょう。
大切なのは、
AIに全部考えてもらうのではなく、
自分で考えたことを整理するために使う。
自分の文章をわかりやすくするために使う。
別の表現を考えるために使う。
というように、AIを「考える代わり」ではなく、「考えるための道具」として使えるようになることではないでしょうか。
【AI時代だからこそ「自分の考え」が必要になる】
文章を作る技術だけを考えれば、AIの方が速く、きれいな文章を作れる場面はこれからさらに増えていくと思います。
それでも、
何を伝えたいのか。
なぜそう考えるのか。
どの情報が必要なのか。
AIが出した答えをどう判断するのか。
最後に何を自分の言葉として伝えるのか。
これらは、自分自身で考えなければなりません。
作文を書くことの意味も、これから少し変わっていくのかもしれません。
きれいな文章を作るためだけではなく、
「自分で考え、その考えを整理し、言葉にする力」を身につけるために書く。
AIが文章を書いてくれる時代だからこそ、子どもたちには、この力がこれまで以上に必要になるのではないでしょうか。
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